スクリーンキャプチャより学び方を学ぼう

「使いながら、学ぶ体質」になろう

先日、こんな問い合わせがきました。

ワークショップ中、ずっと自分のパソコンを録画したいのですが、可能でしょうか?教えてもらったことを、全部録画しておかないと覚えておく自信がないのです。

Camtasia というソフトは持っていますので、これで録画しますが、良いでしょうか?

あなたなら、どう答えますか?

サービス精神溢れるなら、快く

と答えたりするでしょう。

でも、

私たちは「録画しないでください」と答えます

もちろん、ワークショップの内容が流出することを、恐れているわけではありません。この方のパソコンの容量を心配したわけでもありません。

大きく分けて3つの理由があります。

  1. 録画したビデオは「すぐに古くなって意味がない」から
  2. 録画するという行為が、「学習」を阻害するから
  3. 「学び方を学べば」録画なんて必要なくなるから

今日は、このことについて、お伝えしたいと思います。

とどまることなく、進化(変化)するWebサービス

toiee Lab では、Mailerlite というメール配信サービスを使っています。そこから、こんなメールが届きました。

という内容でした。

ランディングページとは「上から下に読ませて、メールアドレスの登録などを促す」Webページのことです。

通常、メール配信サービスは「登録フォーム」は提供しますが、ランディングページ作成機能は提供しません。その結果、ランディングページを作ろうと思うと、

  1. 別のWebサービス(Strikinglyなど)でページを作る
  2. Mailerliteで埋め込みフォームを生成する
  3. サイトに埋め込む
  4. アクセス解析ソフトを導入する

などをしていたのが、

  1. Mailerliteで「ランディング・ページを作る」

以上で、必要なことがすべてできます。

録画しても、すぐに古くなります

アップデートに着いて行くには、録画してはいけない

Mailerliteは、他にも「ちょっとした機能」を追加したり、お知らせを見やすくしたりと、細かい調整をします。

つまり、録画しても、すぐに古くなります。タイミング悪ければ、録画して家に帰って、Mailerliteを開いたら

「なんじゃこりゃ?」
「画面が、ぜんぜん違う!」

なんてことも、ないとは言えません。

現代において

では、次々進化するWebサービスには着いていけません。

録画するから覚えられない

録画すると見えないものが増えます

人間は(人間だけではないですが)、様々な情報から「必要な情報」を自動的に選別して意識に上げます。この役割を担うのが、RAS (Reticular Activating System : 網様体賦活系)という脳の部位です。

このRASは「重要」と思ったもの認識として意識に上げます。

マニュアルを見て、その通りになぞろうとすると「システム側から、小さな変化によってお知らせ」をしていても気づきません。

例えば、「ここに新しいボタンがあるよ!」という点滅も無視します。目に入っていますが、見えていません。マニュアル通りのボタンを探して、うろうろします。

こうなると、新規のお知らせなどは目に行きませんし、重要なヒントも目に入りません。

こうやって「新しい何か?」や「変化」に鈍感になります。すると、ますます、使い方を覚えられなくなってしまいます。

また、録画するという行為は「覚えなくていい」と無意識に伝えているのと変わりません。結果、記憶力は低下します。覚えるために、書くのと、忘れるから録画するでは、全然違います。

さらに、、、

マニュアル通りは、人間には合わない

学び方を学ぼう

非常に重要なことですが、私たち人間の脳は、決まりきったことを覚えてなぞって、繰り返すのは苦手です。

むしろ、創造的な活動の方が得意です。

動画マニュアルを見て、なぞるようなことをしなければ、誰もがもっとWebサービス、ITデバイスを使いこなせます。

それなのに、IT苦手意識がある人や、パソコン教室、書籍、学校教育では「正しいやり方」を覚え込ませて、繰り返すようなことを強制します。これは、人間の尊厳を踏みにじる行為ぐらいに思っています。

このような鳩やサルのような学び方ではなく、人間の脳の特性を利用した「仮説、検証ループ」を使うような学び方をすれば良いのです。そうすると、誰もが短時間に「驚くほど、よく学べ」ます。

しかも、「変化に強くなる」ように学べます。

別の言い方をすれば、

その場で触りながら学べるように、学ぶ

ということが可能です。もちろん、このような状態になるように、教育カリキュラムや伝え方を工夫する必要がありますが、不可能ではありません(toiee Lab で独自に理論化した4サイクルを使うと、設計できます)。

どうやって学べば良いのか?

「マニュアルを見て、それを繰り返して覚える」は、人間には向きません。私たちは、ハトやサルよりも、前頭前野が発達していることもあり、「餌をちらつかされて、同じことを繰り返す」のが苦手です。

どうしても、余計なことを考え始めたりします。それを一生懸命抑制して、初めて「同じことを繰り返せる」のですが、それはとてもストレスフルな行為です。

一方で、私たちが得意なものが「探求」です。toiee Lab では「探求モード」と呼んでいるのですが、Webアプリなどを触る時に、

  1. 気になるものを発見する(小さな変化に注目する)
  2. クリックする前に「どうなるか予想する」(できる限り、詳細に)
  3. なぜ、そう思ったか?を考える(前提や過去の経験を意識にあげる)
  4. 実際に触ってみる
  5. 驚く or 納得する(この瞬間に学習が起こります)

この5ステップを意識して使うことで、様々な機能が見えてくるようになります。すると、次に

と疑問が湧いてきます。そして、その疑問を誰かに質問して「解決してもらうのではなく」、自分で解決するように、上記の5つのステップを応用して

  1. 疑問をあげる
  2. おそらく、こうなっていると仮説を決める
  3. 確かめる実験を考える
  4. やってみる
  5. 驚く、納得する

を繰り返します。すると、短時間でどんどん新しい機能を学べるだけでなく、「応用方法」まで考えだしてしまいます。

マニュアル不要の人間になります

toiee Lab では、このような学習プロセスを意図的に引き出すように、ICT系の講座を設計しています。また、ファシリテーターは、上記の探求モードを手助けするように、質問したり、デモンストレーションをします。

すると、

となり「学び方を学び」ます。

このように三時間ぐらい触っていると、マニュアル不要の人間に近づいていきます。

使いながら、学ぶことの重要性

toiee Lab のIT系授業の特徴は、「使いながら学べるようにすること」です。使いながら学べるようになれば、「覚える必要はない」状態になります。

なぜなら、使い方を忘れてしまっても、その場で、触りながら「使い方を再発見」すれば良いからです。

このような「使いながら学べる体質」になってしまえば、動画で使い方を撮影する必要はありませんし、ノートにメモする必要もありません(結構な数の人がノートにメモしますね)もちろん、トイレの壁に貼りだしておく必要もありません。

繰り返しになりますが、「使いながら学べる」から、忘れたって、その瞬間に学べば良いのです。

これが「探求モード」であり、「学び方を学ぶ」最大の利点です。

是非、ITが苦手と思うなら、探求モードを試してくださいね!

toiee Lab では「時々、ワークショップ」を開いています。

普段は教材開発や、ファシリテーター育成を行っていますが、「直接、受講者と関わるため」に、ワークショップを開いています。



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