なぜ、オンライン教育は思っているほど効果が出ないのか?

ハイテク思考よりも、ローテクをハイテクで手助ける

なぜ、オンライン教育は思っているほど効果が出ないのか?

ハイテク思考よりも、ローテクをハイテクで手助ける

学び方と、学習対象のコンテンツがセットになった新しい「といリブ」

TL; DR

  • ハイテクな学習サポートは、学ぶ力を弱めてしまう
  • チーム学習やバリエーションのある教材を「ハイテク」を利用して提供することが必要
  • つまり「ラーニングファシリテーション型の教材」を「ビデオ」で配信
  • ビデオ + ラーファシで、新しい教育を広げていける

オンライン教育は、魔法ではない

おそらく「科学革命」以来の伝統なのか、それとも最近のテクノロジ関連のPR効果なのか分かりませんが、 「私たちは、科学技術に過度な期待を抱いています」

一昔前、大勢の大人が「パソコンって何でもできるんでしょ?」と、コンピュータに関する大学に進んだ私に尋ねてきました。私は困って

「うーん、おいしいお茶は入れられませんが・・・」

と、はぐらかしたら、

「今まで手で書いていた書類を、チャチャッと(大阪弁)綺麗に作れたりするんでしょ?」

と具体的に聞かれました。

今ならわかると思いますが、パソコンを使うだけで、文章力、構成力がアップすることは、 ないです 。

このことは、現在のAIブームにも言えます。

現在のブレイクスルーは、人工知能の分野の中でも、ANN(Atificial Neural Network)に対して、人類が空を飛ぼうと鳥を模倣するところから、ベルヌーイによって流体力学が表され、鳥とは全く別の翼構造を考え出したことと同じです。

したがって「ANNが得意なこと」をより精度よくできるようになっただけで、相変わらず限界は変わりません。ところが、猫も杓子も、意味もわかっていないコメンテーターたちが人工知能に飛びついてます。

これまでの歴史が示すように人工知能(制度の高いニューラルネットワーク)は、一部の仕事を減らすかもしれませんが、一方で「地道なデータ作成」という労働者ニーズを増やしています。Watsonを管理するのに200人を超える博士号取得者が必要な状態を意味します。

テクノロジが可能にすることを見極める

さて、話が逸れましたが、重要なポイントは1つです。

「私たちは、テクノロジに過度な期待をする」

ということです。

例えば、金融分野(決済、送金なども含む)は、Fin-tech (フィン・テック)と言います。金融のことを Finance (ファイナンス)というので、Fin-tech です。

Fin-tech で経済が豊かになる!というようなことが言われていますが、本当に生産性に寄与しているのは、「簡単決済」「国際送金」の手数料、手続き時間・手間、ミスを減らすことぐらいです。

その他は、何かを生産したり、コストを削減したりする活動を一つもしていません。株式予想して、売買を自動化するプログラムなどは最たる例でしょう。何も生み出していませんし、総じて「売買手数料を上回れない運用実績」になっています。

この手の株式市場の売買が果たしている唯一と言っていい社会貢献は、未来が明るい、未来の成長を信じさせることでしょう。それによって、信用によるお金を生み出せる社会的雰囲気が作れます(もっと良い方法があれば・・・と思いますが)

このようにテクノロジの中身は難しく、専門家以外(専門家ですら、よくわからない)状態であっても、 「実際のところ、何が可能になるのか?」 を分析すれば、使いどころが見極められます。

教育とテクノロジー

ところで、、教育分野のテクノロジーのことを「Ed-tech (エドテック、エデュテック)」と言います。様々な取り組みがありますが、個人的に「最悪」だと思うものがあります。

それは、「効率の良い受験勉強問題システム」です。

近年、パソコンの普及と統計学の普及によって、「過去問を分析する」ことが当たり前になりました。更に、もう一歩進めば、可能になることがあります。それは、

  • 生徒に出題し、間違った問題や同カテゴリの問題を再出題するプログラム

を作ることです。

このような「個人に合わせた出題システム」は、大学で研究され(隣の研究室でやってました)、予備校や塾に教材を卸す企業で採用されました。もちろん、ちゃんとこなせば「効果は高い」です。

ところが、先に述べたように「私は、最悪な部類の応用だ」と考えています。

なぜなら、「生徒は、自分の状態を把握せず、自分の学び方を工夫もせず、ただ繰り返すことで能力を高めている」からです。

反証例を考えれば、すぐにわかります。

「このようなシステムで勉強し続けてきた人が、大学に入ったらどうなるのか?」

全くついて行けません。

大学の授業の教科書は「教授陣の頭の中にある最新知識」です。誰も、「勉強システム」を作ってくれません。もちろん、教授陣が作るはずもありません(そんな暇があったら、研究します)。

効率化の追求が、問題を悪化させる

では、どこかの大学が無駄な建物や機材に投資するのをやめ、大学の授業を学ぶ「勉強システム」に投資したとします。彼は、社会に入ったときに使い物になるでしょうか?

恐らくこういうでしょう。

「すみません、習っていないので分かりません。事細かく、やり方を教えてくれないとできません」

上記の言葉は、私が出会う「マネジャー」や「人事担当」の悩みと一致しています。

実は、社会全体として効率を求めて行った結果、「自分で考えられない人」を生み出す結果を招いています。

なんども繰り返しになりますが、 「テクノロジに過大な期待をしないこと」が大切です。

Adobe Creative Cloud に契約したからと行って、良い動画が撮影できるようになるわけでもなければ、急にデッサンがうまくなったり、デザインがうまくなったりはしません。

実は、隣の研究室の研究発表で、「効率重視のそのシステムは、学習者が自分で学習に注意を払い、工夫することを学ばせないですが、それは問題ではありませんか?」と、問題提起を行ったら、シーンとしてしまいました。

そして「良いという前提で・・・」と発表が続けられました。仕方のないことですが、今思えば、この態度が「教育を人任せにはできない」と思ったきっかけだったかもしれません。

オンライン教育が可能にしていること

オンライン教育が可能にしていることは、「2つだけ」です。

  1. 空間上の制約を減らす(なくすことはできない)
  2. 各人に進捗の自由を与えること

例えば、 iTunes U というiPhoneアプリで、スタンフォード大学の講義を通勤中に見ることができるようになりました。これは、まさにテクノロジーのおかげです。高速インターネット網、CDN、手軽なビデオ撮影機器、iPhone、動画圧縮技術などのおかげで、可能になりました。

また、オンラインでビデオを見たり、講義を受ける場合、「自分のペース」で進んだり、戻ったりできます。

これが飛躍的進歩に繋がるような言われ方をしていますが、それが正しいか考えて見ることは大切です。

例えば「時間さえ確保できて、行ったり来たりできたら学べるのか?」ということです。これが最大の問題であれば、時間をとってビデオを何度も再生することで、学べるようになると言えます。

もちろん、そんなことはありません。

  • コンテンツと、学び方

が鍵です。

そして、何かを学ぶにはわかった気にさせ、安堵感を与えてくれる「例をたくさん聞くだけ」よりも、「行動する」「探求する」「検証する」ことが、大きな前進を生み出します。

「いつでも」は、「いつか・・・」になりやすい

ところで、「いつでも、どこでも」という状況は、後回しをしやすくさせます。

アイゼンハワー・マトリックスではないですが、「学ぶ」と言うのは、 「重要だが緊急ではない」領域の活動です。この領域をしっかりと管理できる人だけが、できる人として周りから信頼と尊敬を集めます。

時間がない、時間がない、時間がないと言う人で、何も学べていない人ほど、「学ぶべきことを、後回し」にしています。特に「オンライン教材」を買っても、それを視聴する時間を作らず、後回しにします。

近所の有名な観光地には「いつでも、いけるから・・・」と行って、行かないように、「いつでもアクセスできるから・・・」と後回しになり、「いつかやろう」となり、忘却のかなたに消えて行きます。

学び方を自分で工夫しながら、学ぶ

オンライン教材は、工夫しながら学ぶことが大切です。

時間の確保だけでなく、「仕事や活動で使う」ように、工夫をすることも大切です。私たちが、 Learning by Doing と呼ぶ方法です。

WordPress の Themify というテーマを使えるようになりたかったら、「社内のちょっとしたプロジェクト」であえて使って見たり、Keynoteを深く理解したければ、マニュアル動画作成で使って見るなど、「学ぶ機会」を自分で作りながら学ぶことが重要です。

このような「Learning by Doing」を行うには、膨大な知識よりも、

  • 本質を探求する方法

を知ることが大切です。

例えば、WordPress なら

  • ITを学ぶ5つのステップ
  • WordPressの仕組みの概要
  • 仮説検証しながら学ぶ方法

を知って、実際に「触る機会」を作ることです。

つまり、「学び方」が抜け落ちていては、オンラインは難しい

長々書いてきましたが結論はシンプルです。

オンライン学習では、コンテンツはもちろんのことながら、「どう学ぶか?」が大切です。

さらに「どう学ぶか?」だけでなく、「どう学ぶと、効率よく学べるか?」という問いを発して、自らの学び方を探求しながら、目の前の課題を学ぶ、メタ探求型学習が欠かせません。

新しい「といリブ」では、このメタ探求型学習と、学習対象のコンテンツをセットにして提供しています。

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