ファシリテーション・レジュメ

知識社会とチーム学習の可能性。なぜ、学習の理論が必要なのか?

私たちは、知識社会に生きています。

知識社会とは「知識が主な生産資源」になる社会です。知識と呼ばれている人の頭の中にある論理、ルール、経験の差が、組織のパフォーマンスを大きく左右したり、スポーツの成績を左右する時代になっています。

最近、不祥事続きで業績が悪化していますが、コンビニ業界ではセブンイレブンがダントツです。セブンイレブンと、その他のコンビニで使える資源に大きな違いはありません。手に入れられる食材、包装用紙、技術、コンピュータ機器などは、変わりません。

違いを生むのは「知識」です。

例えば、優れたマネジメントを生み出せる知識(経験、方針、姿勢)、カイゼン文化を生み出し、維持し、実地テストで成功を導き出す会社風土を設計するといった知識が大きな差になります。

もっと身近な例で考えれば、プロレベルからは程遠いプログラミング能力でも、事務処理スピードが100倍違うこともあります。

例えば、私が学生の頃、学会運営を手伝ったことがあります。学会は主催学校の関連ゼミの学生が大勢で手伝い、事務処理(論文の募集、集計、転送、再通知など)をします。当時、自動化など、ほとんどの人が考えていませんでした。

想像も付いていないようでした。

しかし、少しの調査でメール送信の方法を調べ、フォームを工夫し、仕事を整理し、プログラムを書きました。その結果、15人体制で1週間の仕事が、私一人で2日で終わりました。1日はプログラミング、1日はテスト、実行は1分ぐらいです。

現代社会で、知識が大きな差を生む理由は「豊かで、高度」だからです。

コンピューターがあり、プログラミングライブラリがあり、フォームサービスが安価に提供されており、無料でドキュメントが公開されており、英語で調べたら大量の情報が手に入ります。それらをうまく組み合わせるアイデアさえあれば、大幅な生産性向上ができたりします。

懸命に努力するにしても、「知識」を見極め、学び、利用することで、大きな差を産みます。


起業はセンスではなく、体系的知識

例えば、大成功を収めたDropboxというファイル共有サービスがあります。Dropboxは現在、大学のファイルストレージとしても採用され始めました。

以前は、数千万円のサーバーを自前で購入し、専属SEを雇って学生のファイルを保存できる場所を提供していました。高いお金、人を雇いっても、誰も使いません。しかも容量は少ないし、アクセスするにも不便です。

ところがDropboxを使えば、学生は、スマホアプリ、家のPCにアプリをインストールすれば、すぐに使えます。容量も5GBあります。いろんなことに簡単に応用できます。

今や、Dropboxは伸びに伸び続けています。

このDropboxの最初のスタートは、「単なるデモビデオ」です。Dropboxというアプリが本当に実在していて、ほぼでき上がっていて、もうすぐリリースできそう!ぐらいに感じさせる「デモビデオ」を作りました。悪く言えば「フィクション」を作りました。

そのビデオをYouTubeで公開し、「ベータ版を無料で使ってみたい人は登録してください」と案内しました。そうしたら、あれよあれよと、何万人もの人が登録しました。さらに、口コミで広がり、あっという間に「興味がある人のリスト」が構築できました。

そのデータを投資家・ベンチャーキャピタルにみせ、投資を引き出し、会社を設立し、優秀なエンジニアを雇い、本当のアプリを作り始めました。

このような「起業のプロセス」(リーンスタートアップなど)を知っているか、知らないかで、大きな差が生まれます。


学び方に、もっと注意を払おう

さて、先の起業プロセスは「生まれ持ったセンス」ではありません。知識です。本を買って、読みこなし、事例を探し、経験不足を補うこと。そして、小さくテストしてみて、そこから学ぶこと。

つまり「学び方」がうまいか、下手かで人の能力が変わります。

知識は手に届くところに、ゴロゴロ転がっています。差は「学べたか、学べなかったか」だけです。そして「学ぶ力」は、伸ばせます。誰でも伸ばすことができるし、驚異的といっても良いほど、強い学ぶ力をもっています。

また、学ぶ力の本質は「学び方を改善する習慣」です。

私たちは、自分が何かを学ぶ時「どうやって学ぶと、学びやすいか?」に、ほとんど注意を払ったりしません。学ぶことは本能で無意識だからです。しかし、ちょっとだけ意識を向け、注意を払えば、気づくことがたくさんあります。

など、問いを発して、過去の経験を振り返れば、多くのことがわかります。


良い学び方は、人によって違う

残念ながら、良い学び方、決定打はありません。良い学び方、効率よく学べる方法というのは、

それらが組み合わさって、どの方法が良いかの唯一の答えを決めることができません。

例えば、「英語は海外に一年ぐらい海外に留学すれば、学べる」という話を聞きます。しかし、私が知っているある研究者は、日本にいながら、ネイティブ並みの発音で、レベルの高い英語を話せます(初めて国際学会であった時、日系アメリカ人だと勘違いして、英語で話しました)。

先に単語を全部覚える人もいれば、発音から入る人もいれば、書くことから始める人もいたり、多読をする人もいたり、千差万別です。それぞれが使える資源を活用して学んでいます。

家の近くに大きめの図書館があり、英語の絵本がたくさん所蔵していて、英語を話す友達がいない場合、「多読」を続けることで、長い時間(2年とか)をかけることで、高いレベルの英語力を身につけることができたりします(ただし、毎日見ることは必要)。

しかも、多読中に飽きないように、いろんな本をめくってみたり、たまには難しいものにチャレンジしてみたり、あれやこれや工夫をする必要があります。


英語を学びながら、学び方に注意を払い、学び方を探求する

私たちが、何かをうまく学べ、比較的高いレベルまで進める場合、無意識に「メタ探求型学習」をしています。

メタ探求学習とは「対象を探求するように学びながら、学び方自体も探求する」学び方です。

英語の多読であれば、最初は「忠実に簡単な絵本」からスタートする。でも、面白くないから、絵本の中でも、どういうものが良いか選んで試してみる。毎日取り組めるように、時間帯、取り組み方を改善してみる。

このように「多読の仕方」だけでなく、「多読するための周辺環境の調整」も行うことが必要です。また、モチベーションを上げる工夫も欠かせないでしょう。そういった、諸々を改善することが「メタ探求型学習」です。

難しそうに見えますが、これを意識的にやるには「FILMシート」を使えば良いです。とてもシンプルです。ただし、FILMシートを使うこと自体も、メタ探求をしなければ、効果的に使えるようにはなりません。


チーム学習のインパクト

では、FILMシートという「メタ探求型学習」を支援するツールを、メタ探求型学習するには、どうしたら良いでしょうか?

チーム学習をすれば良いのです。

私たちの脳は「抽象的な概念」を直接インプットできません。具体的な事例、ケース、経験を集めて、それらの共通項を認識すること(パターン認識)で、初めて「抽象概念」を学びます。

「メタ探求型学習」というものを、体験すること。しかも、いろんなパターンで体験することが必要です。

チームなら、これが簡単に実現できます。

同じ課題に対して、人それぞれ、違う角度でものをみてしまいます。それらの違いをお互いに理解し合うことを通じて、「複数の視点から、抽象概念」を見出せるようになります。

チーム学習の最大の利点の一つは「多様な視点」です。1回のチーム学習で、5回のチャレンジに相当するぐらいの学び、気づきを得られることも少なくありません。


チーム学習のメリット

チーム学習は、抽象概念を得やすいだけでなく、

という利点があります。何人かが集まって、ワークショップが開始した時「やっぱり、やめます」とは言いづらいです。全体の雰囲気に流されて(良い意味で)、行動し学べます。

そして、人間はコミュニケーションをする動物です。コミュニケーションを喜びとして感じます。

チーム学習では、お互いに話したり、教えあったり、デモしあったりします。一緒に実験を考え、実行したりします。たくさんのコミュニケーションを行います。すると「楽しい」と思えてきます。

そして、何か新しい発見、学び、小さな前進ができた時、みんなで「喜びをシェア」します。これは、何事にも代えがたい喜びです。

徐々に気心知れてきて、「一緒に学ぶこと」が続くようになります。

これが「チーム学習」です。


チーム学習 x メタ探求型学習

私たち toiee Labは、メタ探求型学習にこだわってきました。そして、チーム学習との相性の良さ、可能性を何年も追求してきました。

是非、一緒に学びましょう!
楽しみましょう。

お盆明けに「1ヶ月のスクラム」を募集します。現在予定しているものは

です。

これまでのスクラムは30万円と高額でしたが、1ヶ月集中と短期にすること、内容を絞り込むことで、

学べるようになります。

お楽しみに!

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