ついつい「教え込んでしまった」話

学習者のワクワクを奪う過度な期待

先日、開催した勉強会でファシテーションをした時に、大失敗をしました。

自分が絶対にして欲しくないことを、参加者の方にしてしまいました。

「ファシリテーター側が設定したゴールに到達することを、生徒側に期待する」ということです。

簡単に言うと、自分の正解を人に押し付けることです。

参加された方のことを思うと、この失敗談を書くかどうか迷いましたが、多くの「教える立場」の人にとって考えるきっかけになればと思ったので書いてみようと思います。

WordPress 勉強会でのこと

それは、ある日のWordPressの勉強会の中で起きました。

アドレスバーを探求するというワークがあります。実はWordPressをマスターする上で、アドレスバーはかなり重要だからです。

アドレスバーの仕組みを理解するために、

ということをします。

正直、初めてワークをする人からすれば簡単なワークではないですが、うまく取り組み、理解をすることができれば、WordPressのマスターにかなり役に立ちます。

僕は気合が入っていました。上手くやろうと思っていました。絶対に「これは良いワークだ」と感じてもらおうと思っていました。

そんな時に、参加者の1人から想定外の質問が飛んできたのです。

「どうしてやる意味があるんですか?」

不覚にもイライラしてしまいました。

なぜか?

僕が、参加者の方に「これは意味のあるワークだと理解してほしい」「そのためにうまく探求してほしい」と強く期待していたところに

「どうしてやる意味があるんですか?」と訊かれたからです。

質問の真意はわかりません。

でも、イライラしていた僕には、「やらなくていいじゃん」と言われているように聞こえました。

その結果、参加者の質問の意図も確認せずに、ワークを行う意味をペラペラと説明してしまい、お客さんの無知を証明するだけの時間になってしまった。

本当に情けないです。

まずは、お客さんの状態を把握する

本来、ファシリテーターの仕事は、「参加者が学ぶことにワクワクしてもらえるようにサポートする」ことです。

ワクワクしてもらうには、まずお客さんをよく観察し理解することが大前提。

理解するために「期待している結果は?」「現状は?」「どうやって学んでいるか?」を注意深く見たり、聞いたりすることが大切です。

僕は、あろうことか、この「学習者を理解する」ことをすっ飛ばしてしまいました。

いきなり説明をしてしまいました。

これではまるで到達目標に無理くり連れていく、鬼教官と同じです。参加者は学ぶこと自体が楽しいと思えるはずがありません。

ファシリテーションは「特定の答えを教え込む」のではなく、参加者の状態を理解し、学ぶことにワクワクしてもらうことが目的です。

参加者の理解をすっ飛ばしてしまった原因

理解をすっ飛ばしてしまった原因は、過度な期待 です。

「絶対にできるはず」という期待が、いつの間にか「なぜできないんだ」「どう教えればいいんだ」という気持ちに変わってしまっていました。

結果、参加者の状態をありのまま見ることができなくなってしまっていました。

僕と同じように、過度な期待によって「教え込んでしまう」人はたくさんいます。

学校の現場、家庭、スポーツ指導の現場、会社内など…

ありとあらゆるところに見られています。

期待することは時に、生徒のモチベーションになりますが、 時に「学ぶ意欲を奪ってしまう」ことを忘れてはならないと思います。

「期待する」のは仕方がない

ここまで、過度な期待がティーチングマインドを生み出し、学習者のワクワクを奪うという話をしてきました。

それでは学習者のワクワクを奪わないためにはどうすれば良いか。参加者に全く期待をしないことか。

それは無理だと思います。

僕もそうですが、教える側も決して意地悪したいと思っているわけではありません。むしろ「絶対にできるはず」とポジティブな感情からスタートしています。

だから期待してしまうのです。

それなら、どうすればいいのでしょうか?

それは、「自分が何に期待をしているのかを自覚すること」だと思います。

深呼吸をして、「あー、自分はこんなことを期待しているんだな」内省するのです。

そうすれば、一旦冷静になれるし、ファイシリテーターとしてやるべきことを思い出せます。

ファシリテーターマインドセット

ファシリテーターマインドセットというものがあります。ファシリテーターの心構えが書かれているものです。

僕はファシリテーションがうまくいかなった時、このマインドセットを読み返すようにしています。

今回の僕に刺さった言葉は

私にとって重要なことは、私の立場、権威、到達目標ではなく 参加者の成長、学び取ったものです

です。

この言葉から学べることは「絶対にできるはず」と思うこと自体、ファシリテーターとしては少しズレているということです。到達点をファシリテーターが決めてしまっているからです。

そうではなく「あくまで学習するのは学習者」という前提に立ち、その学習を最大限に発揮するサポートをするのがファシリテーターの仕事ということです。

実際の失敗経験を通じて、文章を見たことはあっても、実践の場で使うのは難しいなと改めて実感しました。

もし、あの時「この人の学び取ったものが成果」だと気がつくことができれば、講師と生徒ではなくそれ以上の関係になれたのかなと思うと少し悔しいです。

もしあなたが

ことがあるのであれば、ぜひ「自分の期待していることを探して、ファシリテーターマインドセットを見て」みてください。

この記事が、あなたと教え子さんのより良い関係のお役に立てば幸いです。



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