一代限りのスーパー先生に頼るのか?
科学が取り組んできたことは、「奇跡」や「特別」を「当たり前にしてきたこと」と言えます。
つまり、スーパー先生、恩師が「一体、何をやっているのか?」「彼らの頭の中にあるものは何か?」を明らかにし、学習と学習を創造すること、学ぶ場を生み出すことを
が、これから必要になります。
なぜなら、スーパー先生がやっていることを真似しても、ただのハウツーで良い学習が生まれません。さらに悪いことに、スーパー先生は「1代限り」で、後を継ぐことができません。
まさに「秘伝」になっている部分を、toiee Labは科学(体系化)することにしました。
あらゆる分野の知識を集めて構築したラーニング・ファシリテーション
科学とは、「再現性」です。
誰がやっても、かなり高いレベルで、良い結果が出るように「体系化」をするのが科学です。ケースバイケースではなく、すべてに説明ができるようにすることが科学です。
toiee Lab は「スーパー先生」を科学しました。
過去30年近くの様々な研究、そして、システム工学、認知科学、教育心理学、人工知能などを参考にしました。また、古くは論語、ギリシア哲学、アドラー心理学、モンテッソーリなどの著作を調べ、シンプルに「学習とは何か?」を定義しました。
それが、ラーニング・ファシリテーションです。
FILM理論の構造図
FILM理論とは、Feedback, Fractal, Intentional, Lasting, Meaningful の頭文字をとったものです。この理論から導き出した「学習の4サイクル」というものがあります。
この学習サイクルをフラクタル状に展開するように、捉えることで
- 講座の設計から
- プレゼンテーション方法
- ファシリテーション(学習を促進するための介入)
などを説明できるようになりました。
学術的ではなく、実践的
現場で使って、改善し続けるためには「理論の正しさ」よりも、シンプルさを優先し、過度な分類を避け、「効果的な学習プロセス」のための体系化を行いました。
例えば、
- 課題を分析するには、どうしたらいいか?
- 学ぶプロセスの設計のための知識の分析方法
- 高次の学習を引き起こす、振り返りの仕組み
- 学習環境の設計
を統合した理論体系になっています。
ここでは、すべてを説明しきれませんが、事前に知りたい方は、toiee.jp の記事などをごらんください。
FILM理論を使えば、教育を刷新することが可能だと、私たちは信じています。
これから必要なのは「学びを創造するプロ」
私たちは、「教育の前提が違う」と考えています。多くの人、さらには教える側も、
「権威があって、答えを示せる人」
が先生だと思っています。本当にそうでしょうか?
本当の先生とは?
本当の先生とは、昔からの言い回しにある通り、「青は藍より出でて藍より青し」「出藍の誉れ」にあるように、
- 自分越えをさせる人
- 教えたこと以上を、学べるようにする人
です。したがって、優れた知識、技能、権威を持っていたとしても、教え子が、その人を超えられないのでは、教師としては落第です。
ティーチャーではなく、ラーニングファシリテーター
私たちは「ティーチャー(Teacher : 教える人)」の代わりに、「ラーニングファシリテーター(学習を促進する人)」が、これから必要だと考えています。
教師、教員、先生など呼び方は旧来のままでも、やっていることは「学習を促進(ラーニングをファシリテート)」することに、シフトしていかなくてはなりません。
必要な知識、事例、技術は確立されています。
プロフェッショナルの定義
toiee Lab が考える「プロ教育者」とは、権威に従わせて正解を教え、追従させることではなく、
- 学ぶ力を育み、失敗を恐れずチャレンジし
- 他者と協力して正解にたどり着き
- さらに、その正解すらも疑い、もっと良い正解を生み出し続ける
そのような「学ぶ天才」を生み出すことです。そして、その結果として、「やすやすと、自分越え」をさせていく人々です。
【まとめ : toiee Labの研究テーマ】
(1) toiee Lab がしていることは「スーパー先生を科学すること」
(2) スーパー先生とは「教えた以上を、学ばす人」「学ぶ力そのものを育む人」
(3) 学習とは何か?をあらゆる分野を参考に定義、再構築した(FILM理論)
(4) これから必要なプロは、「学習を促進する : ラーニングファシリテーター」
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